19
第2章 血液ガスを読もう
数字の向こうにある体の声を聞く
かんたんな説明
血液ガスは数値が多く見えますが、見る順番を決めると整理できます。この章ではPaCO₂と酸塩基平衡を中心に読み方を組み立てます。
★ ここだけ覚えて:血液ガスは順番を決めて読む。
血液ガスは数値が多く見えますが、見る順番を決めると整理できます。この章ではPaCO₂と酸塩基平衡を中心に読み方を組み立てます。
血液ガスではpH、PaCO₂、PaO₂、HCO₃⁻、BEなどを確認します。まずはpH・PaCO₂・HCO₃⁻の関係を押さえると酸塩基平衡が整理しやすくなります。
CO₂は細胞が酸素を使う過程で生まれる代謝産物で、肺から呼気として排出されます。PaCO₂は動脈血中のCO₂の圧を示し、換気の状態を反映します。
体で生じたCO₂を家庭のゴミに例えると、正常では作られた量に見合うだけ肺から排出されます。作る量と捨てる量が釣り合えばPaCO₂は約40mmHgに保たれます。
意識障害、鎮静薬、呼吸筋疲労、気道閉塞などで換気量が低下すると、CO₂を十分に排出できず体内にたまり、PaCO₂が上昇します。
高体温、敗血症、激しい運動などで代謝が亢進するとCO₂産生量が増えます。排出量が同じままなら、作られるCO₂が増えた分だけPaCO₂が上がります。
過換気症候群、不安や疼痛、人工呼吸器設定などで換気量が増えると、CO₂を必要以上に排出してPaCO₂が低下します。
低体温、鎮静・麻酔、甲状腺機能低下症などで代謝が低下するとCO₂の産生量が減り、PaCO₂も低下する方向に働きます。
カプノメーターは呼気中のCO₂濃度を連続測定するモニターです。波形のD点が呼気終末CO₂(PEtCO₂)で、スライドではPaCO₂より約5mmHg低い目安として示しています。
PaCO₂を酸性側、HCO₃⁻をアルカリ性側として天秤で考えます。両者のバランスが保たれているとpHは7.4付近に保たれます。
換気量が低下してPaCO₂が上昇すると酸性側が強くなり、pHが低下します。スライドではPaCO₂ 60mmHg、HCO₃⁻ 24mEq/L、pH 7.2の例です。
HCO₃⁻が減少するとアルカリ側の力が弱くなり、pHが低下します。乳酸アシドーシス、糖尿病性ケトアシドーシス、腎不全などが原因として示されています。
過換気でPaCO₂が低下すると酸性側の力が弱くなり、pHが上昇します。スライドではPaCO₂ 25mmHg、HCO₃⁻ 24mEq/L、pH 7.6の例です。
HCO₃⁻が増加するとアルカリ側が強くなり、pHが上昇します。原因例として嘔吐、利尿薬、輸血後が示されています。
血液ガスはPaO₂→pH→PaCO₂→HCO₃⁻・BE→代償の順に確認します。毎回同じ順番で見ることで、数値が多くても整理しやすくなります。
PaO₂ 55で低酸素血症、pH 7.22でアシデミア、PaCO₂ 65で高値、HCO₃⁻ 26・BE +1はほぼ正常です。スライドでは急性呼吸性アシドーシスと整理しています。