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CHAPTER 01

酸素を知ろう

「酸素の量」と「酸素を運ぶ力」は別もの。PaO₂、SaO₂、SpO₂、Hbを順番に整理します。

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02
第1章 酸素を知ろう
まずは毎日見ているSpO₂から
かんたんな説明

酸素は身近な治療ですが、PaO₂・SaO₂・SpO₂はそれぞれ意味が違います。この章では「どの酸素を見ている数値なのか」を順番に整理します。

★ ここだけ覚えて:酸素の評価では、数値の名前と意味を区別する。
03
医療略語の読み方ルール
頭文字=状態、中央の小文字=場所
かんたんな説明

PaO₂の「P」は圧・分圧、「a」は動脈、「O₂」は酸素を表します。略語を分解して読むと、丸暗記せず意味を推測しやすくなります。

★ ここだけ覚えて:PaO₂=動脈血中の酸素分圧。
04
酸素分圧ってなに?
大気圧 × 酸素の割合
かんたんな説明

空気は酸素や窒素など複数の気体の集まりです。酸素分圧は全体の圧力のうち酸素が担当する圧力で、海面では760mmHg×21%で約160mmHgになります。

★ ここだけ覚えて:大気中の酸素21% → 酸素分圧は約160mmHg。
05
なぜ酸素分圧は160→100mmHgになるの?
水蒸気とCO₂が加わる
かんたんな説明

吸い込んだ空気は気道で加湿され、肺胞ではCO₂も存在します。その分だけ酸素以外の気体が占める圧が増え、酸素分圧は約160→150→100mmHgへ下がります。

★ ここだけ覚えて:160→150→約100mmHg。酸素以外の気体が占める圧が増える。
06
体の中の酸素は2種類
PaO₂ と SaO₂
かんたんな説明

PaO₂は動脈血に溶けている酸素の「圧」、SaO₂はヘモグロビンが酸素をどれだけ結合しているかという「割合」です。同じ酸素でも見ているものが違います。

★ ここだけ覚えて:PaO₂=溶けた酸素の圧、SaO₂=Hbの酸素飽和度。
07
PaO₂はコーラの炭酸!
「溶け込んでいる圧」のイメージ
かんたんな説明

PaO₂は、血液という液体に酸素がどれくらいの圧で溶け込んでいるかを表します。コーラに炭酸が溶け込んでいるイメージで考えると理解しやすくなります。

★ ここだけ覚えて:PaO₂は血液中に物理的に溶けている酸素の圧。
08
肺の中で何が起きているか
ガス交換の全体図
かんたんな説明

酸素は吸気から肺胞、動脈血を通って組織へ運ばれます。組織で生じたCO₂は静脈血から肺へ戻り、呼気として外へ出ます。

★ ここだけ覚えて:O₂は空気→肺胞→血液→組織へ運ばれる。
09
SaO₂は宅配トラックの積載率!
Hbがどれだけ酸素を積んでいるか
かんたんな説明

ヘモグロビンを酸素を運ぶトラックに例えると、SaO₂は荷台がどれくらい埋まっているかを示す積載率です。100%なら満載、90%なら約1割が空いているイメージです。

★ ここだけ覚えて:SaO₂=Hbが酸素をどれだけ積んでいるかという割合。
10
パルスオキシメーターの仕組み
SpO₂を非侵襲的に測る
かんたんな説明

パルスオキシメーターは赤色光と赤外線の吸収の差を利用して、Hbの酸素化を推定します。採血せず連続して確認できるのが大きな特徴です。

★ ここだけ覚えて:SpO₂は赤色光と赤外線の吸収差から推定する。
11
酸素解離曲線(S字カーブ)
SpO₂ 90% ≒ PaO₂ 60mmHg
かんたんな説明

PaO₂とSaO₂の関係はS字型です。PaO₂が高い領域ではSaO₂は変わりにくい一方、PaO₂が60mmHg付近を下回るとSaO₂は急速に低下します。

★ ここだけ覚えて:SpO₂ 90% ≒ PaO₂ 60mmHgが重要なボーダーライン。
12
SpO₂使用上の注意点
便利だが測定原理上の限界がある
かんたんな説明

SpO₂は100%が上限で、末梢循環不全、マニキュア、圧迫などで誤差が出ます。低SpO₂域では信頼性が低下し、一酸化炭素中毒では誤った高値を示します。

★ ここだけ覚えて:SpO₂の数字だけを絶対視しない。
13
ヘモグロビンが酸素を運ぶ
SpO₂正常でも酸素不足はあり得る
かんたんな説明

酸素の多くはHbに結合して運ばれます。Hbが少ない貧血では、SpO₂が正常でも運べる酸素の総量が少なくなることがあります。

★ ここだけ覚えて:Hbが低いと、SpO₂が正常でも酸素運搬量は不足し得る。
14
動脈血酸素含量(CaO₂)の計算
酸素の大部分はHb結合型
かんたんな説明

CaO₂は血液中に含まれる酸素量です。式にはHbに結合した酸素と血液に溶けた酸素が含まれますが、酸素運搬の主役はHbに結合した酸素です。

★ ここだけ覚えて:酸素はほぼすべてHbに結合して運ばれる。
15
酸素供給量(DO₂)―トラックの全体像
積載量 × 台数 × スピード
かんたんな説明

全身へ届く酸素量は、酸素の積載量だけでなくHb量と心拍出量にも左右されます。酸素化が良くても貧血や循環不全があれば酸素供給量は低下します。

★ ここだけ覚えて:酸素供給量はSpO₂・Hb・心拍出量の掛け合わせで考える。
16
肺酸素化能とは―A-aDO₂とP/F比
肺がどれだけ酸素化できているか
かんたんな説明

A-aDO₂は肺胞と動脈血の酸素分圧の差、P/F比はPaO₂をFiO₂で割った値です。どちらも肺の酸素化能を評価するために使います。

★ ここだけ覚えて:SpO₂が同じでも、P/F比で肺の状態は違って見える。
17
P/F比の具体例
昨日:317
かんたんな説明

FiO₂ 0.6でPaO₂ 190mmHgなら、P/F比は190÷0.6=317です。SpO₂が100%でも、投与している酸素濃度まで含めて評価します。

★ ここだけ覚えて:P/F比=PaO₂÷FiO₂。
18
P/F比の具体例
今日:250
かんたんな説明

今日もSpO₂は100%ですが、FiO₂ 0.4でPaO₂ 100mmHgならP/F比は250です。SpO₂だけでは見えにくい肺酸素化能の変化を確認できます。

★ ここだけ覚えて:SpO₂が同じでもP/F比が下がれば肺酸素化能は悪化している。
第1章はここまで

スライドの下にある「ここだけ覚えて」をもう一度確認してから次へ進みましょう。